『民宿 涌蓋』の話、続けさせて下さい。
(→前編の記事はこちら「魅惑の温泉郷〜大分・九重町 湯坪温泉をたずねて 前編〜」)
前回は、夫婦で大分の湯坪温泉というとこにある『民宿 涌蓋』へ。
ようやく宿に着き暖簾をくぐって‥のところまででした。
ゴロンとひと休みしたものの、さっそく温泉に入るの入らんのと‥ちょっとした葛藤がありまして‥。
いざっ、入りに行きまっしょ。
露天風呂は外せないでしょ
まだまだ陽は高く明るい。まずは露天風呂っしょ。
ここで早々に『涌蓋』のイイところが出ちゃうという。
宿内には露天風呂が1つ、内風呂が2つ。いずれも貸切スタイル、いわゆる家族風呂なので、他のお客さんを気にせずゆーっくり温泉を堪能することができる。
これはいいでしょ!
露天風呂は玄関を出てすぐ正面。木製の手作り札を“入浴中”にひっくり返して入ります。

脱衣と浴室が一体型で、もちろん清掃は行き届いています。
目の前にはこんもりとした山(おにぎり山?)を見上げ、それはそれは気持ちの良い風景が広がります。まあ見るというか体全体で感じながら入るんですね。
おそらく1番風呂であれば、熱い湯船に身を委ねることとなります。
それでも熱いものは熱いので、そこは我慢せず水を足します(笑)。
お湯の中でゆらゆらと湯の花が舞う、ほぼほぼ無色透明のお湯です。
唸り声をあげつつ体全体を思いっきり伸ばします。屋外ですから、風呂に入りながら外の新鮮な空気を思いっきり吸うことができます。
あ〜‥
サイッコーだ。
この解放感たるや、この上なし‥です。
多少熱めなので水を足すには足しますが、次に入るお客のことを考えるといつまでも足すわけにもいかない。早々に体を洗って引き揚げます。
宿泊は始まったばかり。
まだまだ何回も入れるのですから、まずはご挨拶がてらの入浴です。これから夜間、早朝、朝食後と入浴は続くのですから。
さあさあ、ここからが夕食までの楽しい楽しい“まったり”タイムです。
‥と言いつつ、この時間の過ごし方については語り出すと止まらなくなるので、これはこれで次回に記事をまわしましょう‥。
夕食!のたうちまわるうまさ。
ではでは、夕食時間の5分前。待ちきれず一階の食堂、というか食事の大広間へ行きます。
すでに5つのテーブルに食事が準備されています。あらかじめどこのテーブルがいいかチェックインの際に聞かれていたので、そのテーブルへ。
ご主人が夕食の配膳を切り盛りされています。
さぁさぁ来ました来ました。この山奥の温泉宿とは思えない充実の品々。
まず、おいしそうなブリなんだかハマチなんだかの刺身。そして厚切りの地元豊後牛と思われるお肉や地産野菜の陶板焼き。この2つの品にはさまれるように、地元の食材を使った一品料理や小鉢が数々並びます。コレが何よりも嬉しい。
待ちに待ったビールを頼みます。コップに注いでグビビビビーっ‥
痺れるーっ!
お気に入りの白和えやナメコおろしなんかをつつき、至福の喜びを噛み締めます。そうしている間に、お吸い物だの茶碗蒸しだのが運ばれてくる。
そしてここからが『民宿 涌蓋』の真骨頂っ!
まずは馬刺しが運ばれて参ります。すでにブリなんだかハマチなんだかの刺身があるにも関わらずの、馬刺し! 程よくサシが入り柔らかく、冷凍ものではないでしょう、噛むほどに甘味と旨みが広がるおいしさよ‥。
続いて運ばれてくるのは、鮎の丸焼きです。頭からかぶりつきます。柔らかく、身はふっくらでしっとり。酒がすすむすすむ。

気がつくと、周囲には宿泊の皆さん方が思い思いに食事をしています。若い方もたま〜に見かけますが、ほぼほぼ毎回中高年のご夫婦です。
みなさん幸せそうです。やっぱりこういった温泉宿で夫婦お二人で来られているだけに仲良くおしゃべりしながら楽しそうです。
さてさて、酒のアテ系をひとしきり食べ、いよいよ豊後牛の厚切り陶板焼きの出番でしょ?
‥そうは行きませんよ。馬刺し、鮎と来て、いよいよメインの登場なのです。
メインは何かと言うと“ご飯”です。しかもご飯はご飯でも、地元の玖珠米でしょう。
もぉツッヤツヤ、ピッカピカ。ご飯が光ってます。秀逸なのが、一緒に出てくる漬物! 大根? 高菜? とにかくご飯と合う。そこに陶板焼きの豊後牛と野菜でご飯を食べるんですもの。終盤に来て食べるスピードは加速してしまいます。
最後の最後はデザート。コレも季節季節で旬のものが出てきておいしいんだ。今回は形の良い真っ赤ないちご🍓でした。
どうです、お腹いーっぱい。
超満足の幸せを味わいます。どんないいホテルのビュッフェディナーも、ちょいと名のある温泉旅館の懐石も、はっきり言って敵わないんじゃない?
夜の露天に朝の露天
部屋に戻ってゴローンですよ。夕食の余韻に浸ります。このまま眠りこけたいとこですが、温泉ですよ、第二ラウンドですよ。怠けるわけにはいきません。
次は内風呂といきたいとこですが、夜の露天も捨てがたいんですよね。
温泉は夜中も自由に入ることができます(これもありがたいポイントです)。
もちろん露天にレッツゴーですよ。

田舎の夜ですから暗く、少し怖くもあります。
静かです。
もちろん虫の音やお湯が流れる音はします。それでも辺りは静かな雰囲気が漂っています。夕食で興奮した身体や頭を洗い流します。湯加減も昼のように熱くありません。体を芯から温めて、夕食でフル回転の内臓たちに栄養を送り込みます。
温泉で体も心もさっぱりすっきりして、寝床に入るんですね。
旅館の布団がさらに追い討ちをかけます。もぉ気持ちいい〜!興奮のうちに眠りに落ちてゆきます。
翌朝、窓から見えるキレイな”こんもり山”。妻はすでに起きており、ゆっくりと温泉に入って戻ってきております。さぞや温もったのでしょう、すっごく暑がってます(笑)。
私も続きます。朝は朝で露天風呂に入りたい。
だって朝日が気持ちいい。
朝の空気を感じながら風呂に入るのは気分も贅沢です。
少し肌寒い朝の空気をいっぱいに吸いながらの朝風呂を堪能します。
もちろん、頭の片隅には朝めしにワクワクしつつ‥
愛が溢れる朝めしよ‥
さぁさぁ、朝めしの時間がやって参りました。夕食同様、待ちきれずに5分前に会場へ。
手作りの菜っ葉のお浸しにきんぴら、山芋トロロに生卵。
ご飯が何杯あっても足りない💦 そこに焼きたての鮭がきます。嬉しすぎる。

多くの宿泊施設で、ここまでの焼きたてを提供してくれるところがあっただろうか。たいてい朝に一度で焼いた魚が出て、少しは時間が経っているものです。
焼きたてって‥。
愛しか感じません、愛です。
そして、またまた炊き立てのご飯ですよ、夕食のコピーになりますが、もぉツッヤツヤ、ピッカピカ。ご飯が光ってます。
熱々のみそ汁もおいしくて、朝から腹パンパンになるわけです。
今朝の漬物もおいしかった。
ちなみにこういう宿でよく思うことがあります。
他の宿泊客のご夫婦のみなさま方も、朝からもりもり食べているわけです。
お父様方もご飯を若い頃のように3杯4杯とはいかないまでも、おかわりしていました。しかも、おかわりは奥様が甲斐甲斐しくそこのおひつからご飯をよそってあげるという‥ほぼほぼ中高年のご夫婦はそうでした。
おじさんら、自分でご飯くらいよそいなさいよ。えらそうに‥(苦笑)
お得にもほどが。締めていくら払ったと思います?
旅も終盤にさしかかります。とうとう内風呂を攻めるわけです。内風呂ももちろん家族風呂スタイル、大きめのところと小さめの風呂場があります。とてもキレイにされてます。っていうか、廊下も玄関もどこも掃除が行き届いている。

ちなみに、宿の紹介によると泉質は単純温泉と硫黄泉。
天然の掛け流しで、露天も内風呂も24時間いつでも貸切で入れます。
露天では湯の花がゆらゆらと舞っていました。ぜんぶ入り終わってから知ったんですけどね(笑)。
内風呂もゆっくり身を委ね、部屋に戻る。
腹もいっぱい、もう動きたくない。着替えて荷物の用意なんか、さらさらしたくないんだ。と言いたくなる。
しかし悲しいかな、時は過ぎていきます。迫るチェックアウト。
さて、お会計です。
・1泊2食 10,500円 × 2名 = 21,000円
・ビール 600円
・入湯税 150円 × 2名 = 300円
締めて、21,900円。
夫婦2人で、あの温泉に何度も入って、あの夕食と朝めしを食べて、21,900円です。しかも私はビールまで飲んでいる。もう一度言います、21,900円。
ご主人、マジでありがとう。
支払いをすませ、夫婦ともどもお礼を言います。
言われ慣れていると思いますが、少し照れ笑いのような仕草をみせるご主人。
どうです、これが『民宿 涌蓋』です。泊まったのは令和8年3月。
その時点で1泊2食1人 10,500円でした。
素ん晴らしいでしょ。
ただこの湯坪温泉、信じられないことに『民宿 涌蓋』だけでなく、他の宿もなかなか負けず劣らずいいんですよね。この『民宿 涌蓋』、泊まること数回。欲にまかせ他の宿にも行きました。
次回はこの“まったりタイム”の話を。
そのあとは、ぜひとも別の宿の道中記も書きたいので、またの機会に。
よろしくお願いします。
(→シリーズ第1回はこちら「魅惑の大分〜山奥の温泉郷〜」)

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