魅惑の大分〜山奥の温泉郷〜

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それまで特に温泉に興味はなかった。

旅行は嫌いではないが国内止まり、さほどあちらへこちらへ行くほどでもなし。まぁ旅行は行くけど人並みかな程度。ただ北海道は例外的に好きでちょいちょい行くけど‥。

風向きが変わったのは、やはりスマホを持ちはじめてからになるんですね。

スマホデビューは遅かった。コロナになる前、8年くらい前になるだろうか、当時の私は頑なにスマホを持つことを拒んでいた、なんかボラれそうで(笑)。仕事の都合でとうとう持つことになりました、早く持っとけば良かった〜。

それから、旅行サイトにしろ航空チケットにしろ、それはそれは便利に入手できることを、遅ればせながら知ったわけです。

話しは飛びます。

”おんせんけん”の実力は山奥にあり⁉︎

福岡へ移住してから、コロナも終息の兆しをみせるなか、各地で旅行割りが行われたの覚えているでしょうか。これは行くっきゃないというわけで、どこか近場の温泉宿に泊まり始めた訳です。そこからでしょうか、温泉宿に泊まり出したのは。

コロナ割りをきっかけに、地元福岡を皮切りに、福岡周辺にはそれはそれは素晴らしい温泉郷があることあること。佐賀県から始まり長崎県や熊本県と、九州のあちらこちらにあって、極めつけの大分県なんですよね。

大分といったら言うまでもなく”おんせんけん”、別府や由布院の有名どころだけではございません。

あの連なる山々、森に森に森!、緑いーっぱいの中に、わんさと椎茸、そして温泉集落があるんですよね。

しかもリーズナブルで、山奥なので観光客もまばら、しっかり温泉で貸切湯があって。そして、なんといってもめしがうまいんですよね。どこもまあまあ似たメニューではあるけども、繰り返しメシがうまいんですよ。自分の年齢が宿の食事に追いついたのかな。

しびれる山奥めし

どこの宿も、心が安らぐ山菜の小鉢があって、もうこれだけでゆっくり飲める。川魚の塩焼き、地元和牛の陶板焼き、そして大分名産の椎茸の創作料理なんかがラインナップされるわけ。だいたいこの布陣なんだけれども、これがいいんですよね、各旅館がそれぞれ工夫を凝らし飽きることがない。

山菜の小鉢や川魚の塩焼き、和牛の陶板焼きが並ぶ山の宿の夕食

山の宿のメシというのは、海鮮のきらびやかさはないけど、地場野菜や山菜の優しい色合い、滋味深さがある。あと、周辺で採れたお米がうまいわけですよ、炊き立てで水分を多く含んでツヤツヤで。朝食なんかもぉ、ご飯に多種多様のご飯のお供。ご飯がススムススム、腹ぱんぱんで食べ終わったら、再び布団に転がり込むことになります。

やっぱり食事は宿のメインイベントなんですよね。

くつろぎの温泉

食事だけでないです。

貸切湯です。これがまた大分の山間の温泉のいいところで、大体の温泉宿が家族湯や貸切湯形式なんですね。宿によっては2〜3室ではなく、5室以上も貸切湯があったりするんですよ。

川のせせらぎが聞こえる木造の貸切露天風呂

手作りのドア札をくるっと裏返してしまえば、そこはもう自分だけの湯なわけ。誰に気兼ねすることもなく手足をうーんと伸ばして、聞こえるのは湯の注ぐ音と、外の川のせせらぎだけ。露天風呂ならなおさら、自然の音や空気のおいしさを直に感じることができるんだよな。

後述しますが、大浴場でおじさん(もちろん私もおじさん)の背中を眺めたり、唸り声を聞きながら入る湯とは、くつろぎ方の桁が違うんですよね。

泉質はどうですか? 私は気にしませんが、まぁ何かしらの効能がある温泉であれば、それで十分‥‥。一口に温泉と言っても、これが実にいろいろありますよね。嬉野や原鶴温泉なんかとろっとろで肌がつるつるになる美肌の湯といわれており、別府の硫黄の匂い芳しい温泉、九州ではないですけど有馬温泉のような鉄っぽい匂いの茶色いにごり湯、大分にありますが肌にシュワシュワと泡がまとわりつく炭酸の湯なんてのもある。

面白いのは、山をひとつ越えただけで湯がガラッと変わること。同じ大分でもまるで別物だったりするんですね。まぁ私はあまり気にならないのですが、マジの温泉好きとなると気になったりするのでしょうか‥‥。

そのすべてに癒される

改めて温泉宿っていいんですよね〜。

ひなびた感じもいいし、古びた建物もいいですよ。古い置物や人形、絵画なんかも目立たずひっそり存在しているんですよ。他にも客室内の砂壁、傾斜のきつい階段、シーンと静かな廊下。

玄関をくぐって館内を歩き出すと、まず匂いでわかるんですよね。畳と古い木と、どこからか流れてくる湯の匂いが混ざった、あの匂い。新しいホテルにはぜったいにない匂いです。

湯上がりに静かな廊下を歩く浴衣姿の女性

階段の手すりは何十年ぶん手で撫でられてツルツルになっていて、廊下の板は歩くとギシギシ鳴る。夜になると、自分の足音だけがやたら響くんですよ。部屋に入れば昭和のまんまの鏡台があったり、ちょっと懐かしい布団一式が用意されていたり。ピカピカにリニューアルされた宿には申し訳ないけど、こっちのほうがよっぽど落ち着くんですよね。

もちろん不便なところも、まぁ、ある。エレベーターがないとか、部屋の鍵がやたら大きいとか。でも一晩くらいなら、それも含めて面白いわけです。

とはいえ、です。

そもそも温泉って聞くとなんか「行きてー」「疲れをとりてー」「ゆっくりしてー」てな感じでワクワクするわけではなくて、癒やされたいというか、救いを求めるような感じになりますよね。けれど、実際に行ったらゆーっくり温泉につかったり、温泉ざんまいとはいかないんですよね。

そんなに長いことじーっと湯に浸かっていられない。なんなら早々にでも浴槽からあがりたくなるくらい、熱いし、何もすることないし‥笑。

大浴場なんかであれば尚嫌っ。他にもおじさん達いるし、あんまりおじさん達の裸見たくないし、できれば一緒に入りたくもないし(自身もおじさんだということを重々自覚しつつ言うとります)。おじさんやおじいさんがゆっくり気持ち良さそうに何十分も浸かっていますけど、気が知れないというか、かえって身体に負担なのではないかと思ってしまいます。

温泉宿に泊まるのは好きなんやけど、実際に行くと自分が思うほど温泉そのものには楽しんでないということがわかります。真の温泉好きではないでしょうね。

宿を巡るよどこまでも

温泉宿に泊まるということは、

いつもより違った環境で寝泊まりする嬉しさやその新鮮な感覚、何よりも豪華なお食事、ふっかふかの布団、昔の家に住んでいるような懐かしい佇まい。こういったことが、温泉そのものよりも楽しめるわけなんですね。

たまたま福岡に移住して、コロナの旅行割りがきっかけで、こんなに何回も九州、なかでも大分の山奥に訪れるんですから、我ながら感心します。

温泉マップを広げて次の湯めぐりを計画するテーブル

福岡から車で2〜3時間も走れば、そこはもう山深く、森森森の緑が生い茂る奥に温泉郷があり、いくつも点々とある。申し訳ないくらいリーズナブルで、デフォルト貸切湯、メシは激ウマ。こんな贅沢が近場に転がっているんだから、もっと前から知りたかった。

今更ながらですが、私の魅惑の温泉郷巡りを、ぜひ紹介したいと思います。どこの湯に浸かりましょうか。

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