気が休まらない女性ホーム〜障害者グループホーム世話人の夜勤日記〜

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障害者ホームには男性専用もあれば女性専用もある。世話人も同性がいいような気もするが、そうはいかない。どこも人手不足だ、とにかく穴が空かないようにやりくりしていると思う。それはそれは、管理の方々は入居される方だけでなく我々パートも管理するのだから忙しくされている。

女性専用ホームと忠告

わたしも女性専用ホーム(女性ホーム)の夜勤に入ることになりました。男のわたしが女性ホームで夜勤。正直、少しばかり緊張しないでもない。

勤務が決まってから当日まで、教育係の正社員さん(以下:正社さん)が口うるさく言います。女性ホームは食事の味とかうるさいですよー、「味が濃いー」とか平気で言いますし。入浴の順番は絶対気にしておいた方がいい、とか。スタッフの会話なんかけっこう聞いてますよー、みんなに広がりますよー、ってな具合ですね。

教育係の正社員から女性ホームの注意点を聞きメモを取る世話人

そこまで念を押されると、こちらとしても身構えざるを得ない。期待半分、不安半分、そんなこんなで勤務当日。

メモは続く

ホームは閑静な住宅地の住居を一棟借り上げており、4名の入居者がいる。日勤の方が慌ただしく食事の用意をしつつ、入居者の方と会話している。正社さんが一人一人の入居者に、わたしのことを丁寧に紹介してくれる。ありがたい。入居者の皆さんも、丁寧に返す方や会釈だけの方などそれぞれで、第一印象は思っていたより穏やかだ。

まずは周辺に住むグループホームの方々へ、夕飯の配達に行かなければならない。乗り慣れない古いタイプの軽自動車、交通量の多い狭い道路がひしめきあう、それはそれは運転の難しい地域だ。正社さんが軽やかに運転してホームを案内し、夕飯を配っていく。わたしはいつも通り、次回の勤務で困らぬように、何号室は◯◯さん、男性?女性?と、こと細かにメモを書きまくる。一人一人の体調を聞き、弁当をお渡しする。

軽自動車で夕飯の弁当を配達しながらメモを取る世話人たち

戻ってからは、ホームの皆さんの夕飯をお出ししながら、明日の朝食の準備を並行して行う。別のホームで何回か経験したので、少しだけ余裕を持って行えた。隣では正社さんが明日の夕飯の下ごしらえに余念がない。なんかもう、大胆な男の料理をこさえている。

気を配る小さなコミュニティ

その間も、夕飯を食べている皆さんがペチャクチャ話しては、料理を作りながら会話に入り、相槌を打ったりと大変だ。手は動かしつつ、耳はテーブルへ。正社さんは適当に流しておけば良いといった感じだが、初めての事だからそんな不真面目な対応はできぬと、律儀に返答する。

入居者の会話を聞きながら並行して夕食準備をする世話人たち

正社さんに会社について聞こうとするが、テーブルで話す皆さんへ目配りをして首を振る。うっかり余計なことを話すと、後で揚げ足取りの材料にされたり、すぐに入居者どうしに広まって噂になりかねないと。過去にトラブルに至ったことが幾度もあると言うのだ。なんて息苦しいんだ。それでもダンマリとはいかないので、テレビの話や近所のお店の情報なんかを聞いたりして、コミュニケーションをとってみた。

なるほど、こういった女性の小さなコミュニティや、女性の精神疾患の方には、なかなか気を配らなければならないと、男性とはまた別にセンシティブに接する必要があるのか。かといって、距離を詰めすぎず、しっかりと一線を引いた対応を‥‥難しい‥‥ふんわり思い始めた夜勤初日であった。

眠れない仮眠室、へとへとな朝‥

あらかた明日の朝食と夕食の準備を言われるがままに行い、仮眠に入る。狭めの倉庫兼仮眠室。妻の愛情おにぎりをもぐもぐ。マットと枕にカバーを被せ、小汗をかいた若干気持ち悪い身体で横になる。もちろん休まることなんかないのでスマホを結構長く見たあと、電気を消し眼を閉じ、YouTubeを聴きながらまどろむことになる。

倉庫兼仮眠室でおにぎりを食べながらスマホを見る世話人

翌朝、もちろんスッキリしていない、寝不足全開の朝。

朝からはさすがにホームのみなさんもテンション低めで、朝食を食べて自室へ。こちらは本日の夕食準備に、ごぼうと人参をこれでもかと切る。隣の正社さんの粗々しい男の料理に感心しながら、茫然と夢うつつに夜勤は終えるのであった‥‥。

タイトルの通り、身体よりも気疲れの一晩。それでも次の勤務では、もう少しうまく立ち回れる気がする‥‥そんな夜勤明けであった。

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