福岡のお土産の話、させてください。
全国の地方都市の中でも抜きん出て発展している福岡。観光客もなかなかの多さ。福岡の都心部である天神や博多駅周辺においても、平日のラッシュ以外の時間帯なのに結構な人の多さに驚く。
そんな中、私もちょいちょい天神や博多に、特に用もなくぶらぶらと出かけることはある。もっぱら行く場所は決まっている。行きつけの場所で昼飯を食べ、デパ地下をぐるぐる巡り、弁当や惣菜のウインドウショッピング。だけ‥だ。
ちなみに、ブランド店舗での買い物や、話題の飲食店やカフェで流行りのランチやドーナツとかは、ほぼ絶対にない。デパートは1Fより上に行くことはないという。
食のまちのおみやげ
そういうことはさておき、観光といえばお土産。これだけ観光客が多いと、お土産もわんさとある。しかも食の街”福岡”のお土産とくれば、どんなものを買います? 昔からの超定番の”明太子”? なまものですからちょっと不便ですか?
福岡のお土産の2大巨頭といえば、これなんですねぇ。”博多通りもん”と”めんべい”。この2つ、お土産としてよく出来ているし、何よりもおいしい。日持ちよく、荷物になるが比較的かさばらない。
もちろん私も、お土産として幾度となく購入させていただきました。
ただし、50オーバー団塊ジュニアの私としては、この2つのお土産はどちらかといえば新興おみやげの部類に入り、福岡のソウルフードみやげとは言い難いんですね。言ってる感じ、わかるでしょうか? 具体的に言うと、”東雲堂のにわかせんぺい”、”博多ぶらぶら”、”博多の女(ひと)”なんかが、実際食べたかどうかは別として、テレビCMで深く深く私たちの記憶に根を下ろしている福岡のソウルみやげと言えます。
知る人ぞ知るおみやげ
そこで、わたしがおすすめするおみやげだ。
はっきり言って、昔っから存在するし、めっちゃくちゃおいしいし、田舎臭さはないし、老舗ながら画期的な商品でもあり、そこそこ穴場のようなおみやげなんですね。ただ、一つ欠点があるとすれば、福岡ではなく佐賀のおみやげという‥‥
けれど、あくまで個人の感想で言うならば、佐賀みやげを福岡観光のおみやげとするのは何の問題もない。現に佐賀みやげは、福岡のいたるところに”ふくおかみやげ”のようにして佐賀の気配をあまりみせずに堂々と売っている。‥‥佐賀のことは大好きなんですよ‥‥
実は私自身、しばらく「さが錦」とは縁遠い日々を過ごしていました。ところがある時、実家に帰省すると、母が博多で「さが錦」の切れ端を詰めたアウトレット品を買ってきてくれたんです。久々に対面して「これ、さが錦やん!」と思わず声が出て、改めて食べてみると、やっぱりおいしい。
それ以来、このアウトレット品をたまに買っては楽しんでいました。今はもう売っていませんが、この出来事をきっかけに、さが錦は一気に身近な存在になったのです。

回りくどく説明しているが、『さが錦』というお菓子を知ってますか?
この『さが錦』こそ、私の福岡みやげナンバーワンにあげたいんです。
一見、お土産でよくある小分けされた直方体のスポンジケーキ風なんです。
けれどもなんか和の要素が取り込まれていて、ちょっと高級感があるんですね。
そして、食べると洋の中に小豆を感じられて、東洋感というかシルクロード感(何の根拠もなく言ってますけど)があって、普通のお土産のお菓子と一線を画すような‥。
「さが錦」のちから
この『さが錦』について、簡単にご紹介させて下さい。
『さが錦』は昭和46年に発売された和洋折衷の焼菓子。手がけるのは、昭和3年創業、佐賀の老舗菓子メーカー「村岡屋」です。発売当時から村岡屋の看板商品として親しまれてきました。村岡屋自体も佐賀のみならず九州を代表する老舗メーカーで、現在は福岡県や長崎県にも出店。少し大きめのスーパーでも見かけることができます。
そのルーツは、小城羊羹発祥の地・佐賀県小城市。定番土産の小城羊羹が「持ち運びには重い」という声にヒントを得て、持ち運びやすいお菓子をと試行錯誤の末に生まれたのが『さが錦』なんだそうです。
まだまだ「さが錦」の説明は続きます。
佐賀の伝統工芸品である織物「佐賀錦」の、気品ある華やかさと風合いをイメージして開発されたお菓子です。(←ここら辺がシルクロード感)

中心となるのは、小豆を混ぜ、山芋を練り込んだ和風のやわらかな蒸し菓子「浮島(うきじま)」。この浮島を、専用に焼き上げられたバウムクーヘンで上下から挟み、さらに浮島とバウムクーヘンを特注のチョコレートで貼り合わせるという、なんとも手の込んだ作りになっています。
まぁこんなしゃれたお菓子を、昭和40年代によく考えたものですよ。なんせ、和菓子の”浮島”とバウムクーヘンをチョコレートで貼っつけたのですから。しかも、織物に似せたデザインなんかしますか‥
褒めるとこだらけ
焼き菓子ですから洋の味が強いと思いきや、バウムクーヘンのふかふか生地に歯を立てると、すかさず少しもちっとした浮島が和を感じさせてくれるんですよね。噛むたびに深まる小豆のうまみと、ホワイトチョコの甘さ。見た目上品、味も上品、そのうえ値段はお手頃ときたら、買わずにはいられないでしょ。

新フレーバーも期間限定で発売されていて、わたしの知る限りでは、みかん、抹茶、キャラメル、いちごなんかがありました。これがなんせ色がきれい。味も本来の「さが錦」を土台にフレーバーの味がしっかりのっていて、サイッコーにおいしいし、上品さもそのまんま。

福岡(本来は佐賀のお土産だけど)を訪れた際、お土産に迷ったら、あるいは新たな土産を模索中であれば、ぜひ食べてみてはと推したい。そんな少し隠れた存在の銘菓なんです。


コメント