パンの話、させてください。
福岡へUターン移住して嬉し懐かしいのが、スーパーマーケットのパンコーナーにある「リョーユーパン」を筆頭とした”ローカルパンメーカー”の菓子パン、惣菜パンの数々なんですね。
まさに郷土の味、故郷を思い出す郷愁の味、ソウルフードの一つであることに間違いありません。
地元民にはあまりにも身近すぎて感じない、離れてわかるそのありがたみといえるのではないでしょうか。
記憶の中のパンたち
わたしの小さい頃の記憶にあるよく食べていた、よく母が買ってきていた、おいしかった菓子パンは「モカサンド」という菓子パンだったと記憶しています。
コーヒーが練り込まれているふかふかパンにコーヒークリームがはさまれている、見た目は”黒糖ちぎりパン”のようなパンなんですが知ってます?
実はこのパン、てっきり「リョーユーパン」と思っていたのですが、「ヤマザキパン」でした(笑)。コーヒー色のパン生地に、コーヒー味というかコーヒー牛乳味のクリームが子供泣かせなおいしさだったんですよ。
‥けど、昔の記憶なんて当てになりません。
もう一つあるんです、記憶パン‥。
「カステラサンド」知ってます?
薄くバタークリームをはさんだ四角いスポンジに、さらにウエハースのような皮をはさんだパン。
これもよく食べてはいましたが、さほど好きーっ!というわけはなかった。ただ母がよく買っていたので、仕方なくではないけどしょっちゅう食べていた記憶パンです。
外側のウエハース皮がけっこう湿気ていて、引きちぎるように食べてました。今のカステラサンドは外側もさっくりして、食べやすくおいしく進化しているのではないでしょうか。(実際、買って食べました。その通りでした 笑)

福岡は別名リョーユーパンけん!
そんな思い出だらけのリョーユーパン、あらためてAI(笑)で調べてみました。
1950年(昭和25年)創業、本社は福岡県大野城市にある老舗パンメーカーです。社名の由来は「糧友(りょうゆう)」。食糧の糧に、友だちの友。なんだか昭和昭和していて、実直でええ名前やないですか。
九州のスーパーやコンビニに行けば、まず間違いなくこのリョーユーパンが並んでいます。
九州を中心に山口や広島のほうまで進出しており、最近では香港や台湾などアジアにも展開しているそうな。気がつけば故郷のパン屋さんはすでに海外進出の大物になっていたという。
やるねー!いや、やりますねー。

進化のマンハッタン
リョーユーパンといえば、なんといっても看板商品「マンハッタン」になるんですけど、知ってます?
硬めのドーナツ生地にチョコレートをコーティングした、なんとなく想像通りっぽい茶色いパンというかドーナツ。
名前の由来は、開発担当者がニューヨークのマンハッタンで見つけた商品を参考にしたから、そのまま地名をいただいた‥という。
このエピソードもなかなか昭和昭和していて、当時まだまだ日本はアメリカに憧れを抱いていたんだなぁと思わせる郷愁の話ではないでしょうか。
発売は1974年(昭和49年)。ミスタードーナツが日本に上陸したばかりのドーナツブームの波に乗って大ヒットし、以来50年以上、売り上げ上位に君臨し続ける超ロングセラーです。いつのまにやら福岡のお土産売り場にも並ぶほどの定番商品になっているとは‥
九州の学校では購買で争奪戦になるほどの定番で、「青春の味」と呼ばれ、あの福岡の巨匠うえやまとち先生の『クッキングパパ』にも登場、もちろん主人公の「荒岩」が再現クッキングしていたことは覚えています。
わたしの記憶ではこの「マンハッタン」、そんなにおいしいか?という菓子パンだったんですよね‥。
あくまでも遠い遠い50年くらい前の記憶です。
なんだかチョコか油かがペタペタしていて、持った手もペタペタしている。食べるとお口周りもペタ〜っとして、揚げパンならではの重たさがあまり好みではなかったのかも。あまり良い思い出はないんですよねー‥

めちゃめちゃ、超久しぶりに買ってみました(笑)。懐かしくて。
驚きました。
油っぽさなし。チョコのペタペタ感なし。
カリっとザクっとしてる。生地も軽いけど食感や歯応え、噛み応えがいいんですよ。味も噛み締めることにおいしさをしみじみ感じちゃったりして。
感心しました。
私の過去の記憶は当てになりませんが、記憶通りとするなら「マンハッタン」はおいしくなっている、進化していると言わざるえません。
ドーナツらしいどっしり感はありますが、とにかく軽い。ペタペタがあまりにもない、カラッとしているんだもん。
アブラギッシュ野郎が爽やかな青年になっていたというあくまでも個人的な見解に達しました。

話は変わりますが、さらにさらに2024年には発売50周年の記念商品が出たり、期間限定の味が登場したりと、マンハッタンもまた事実進化し続けているんですね。
ちなみに現在は佐賀県の唐津工場だけで製造されていて、基本的に九州とその周辺でしか買えないとのこと。この「ここでしか買えない感」は、ローカル商品であるための必須事項ですよね。えらいぞ、マンハッタン。
ソウルフードは進化する
モカサンドは知らんけど、カステラサンドも、マンハッタンも。記憶の中のパンたちは、姿を変えながらもスーパーの棚に並んでいます。
福岡に来る機会があれば、前回紹介した「フランソア」もそうですけど、ぜひパンコーナーをのぞいてみてください。かじってみると、福岡や九州の人たちの青春やローカルの郷愁を少しだけ共有できてしまう気分になるかもですよ。

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